2018年11月17日(土) 14:05 JST

TOKIWAファンタジア’11 イルミネーションコンテストに参加してきました

  • 2011年12月16日(金) 20:27 JST
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宇部かたばみライオンズクラブ賞優秀技術賞を受賞しました。 2012/01/05追記


 本州は最西端、山口県宇部市にある、ときわ公園が毎年開催しているイルミネーションコンテストに当研究室からも作品を応募しました。もはや今年の研究室のトレンドになりつつあるテンセグリティですが、こちらの照明もテンセグリティとC60フラーレンを組み合わせたものになっています。テンセグリティの持ち味ともいえる「浮遊感」にこだわって、大量に球型テンセグリティを作成しました。一目見ただけで分かる方もいらっしゃるかと思いますが、このテンセグリティというものを正しく作ることは、なかなかに難しいんです。
 続きで、製作過程を追ってご説明いたします。



 この照明には、御覧頂いて分かる通り4個の球型テンセグリティの他、台座にもテンセグリティが用いられています。ロッドの材質は、球型テンセグリィはアクリル棒で、台座のテンセグリティはステンレスパイプで作成しました。ワイヤをロッド端部につけるため、アクリル棒にはLEDとテグスを付けられるエンドキャップをつけ、ステンレスパイプには写真のように穴を開けました。先ほどテンセグリティをちゃんと作るのは難しいと書きましたが、このワイヤがテンセグリティが成立するかどうかの肝になります。テンセグリティとは、引張材と圧縮材のみから成り立つ構造で、ワイヤの張力が弱いと形状が成立しないため、ワイヤの長さの設計が非常にシビアなのです。そのため、CAD上で任意の形状をテンセグリティ化し、各部材の正確な寸法を取得することができるアドオンを開発し、更にターンバックルやバネを使って張力を調整できるようにしました。



 出来上がったテンセグリティがこちらの写真です。左から台座テンセグリティ、球型テンセグリティ小・中・大です。一番小さい球型テンセグリティの写真を撮り忘れてしまったのですが、作った球型テンセグリティのロッド数は小さいものから順に、3本、6本、12本、30本としました。また、台座の方は8本のロッドを使い、底面と上面の8角形が135°ひねった状態で成立するような設計にしました。アクリル棒の端部に白く見えるものが、LEDとワイヤを収めるために作ったエンドキャップです。エンドキャップはCADでパラメトリックにモデリングをし、3Dプリンタを使って造形しました。テンセグリティの設計からエンドキャップの設計、LEDの色の配置の設計に至るまで、CADを使ったり3Dプリンタを使ったりと、日頃研究で培った技術を様々に活用しています。



 LEDの色の配置を検討するため、一番左の画像のようにCADでレンダリングを繰り返し、何度も設計を見直しました。検討した結果、一番小さい球型テンセグリティから順に、赤、緑、白、青という配色にすることが決定しました。ここまで製作した所で、初めてC60フラーレンが登場します。フラーレンは写真のように、球型テンセグリティを覆うような形で用いました。透明なPET板で作っているので、適度にLEDの光を反射させ、不思議な光のパターンを創出します。イルミネーションのパーツはこれでほぼ完成しましたので、最後に看板の作成に取り掛かりました。看板はアクリル板を使い、レーザー裁断機で浅く掘ることで一番右の写真のように、「Hirasawa Lab」とこのホームページのURLが光って浮かび上がるように加工しました。ちなみに、当研究室内では皮肉にも(?)イルミネーションよりもこの看板の出来に感動する声が大きかったような気がします。



 こちらが現地での組み立て作業後の写真です。現地でワイヤが千切れたり、導線が断線するなどのトラブルもありましたが、無事に完成することができました。夜が本番のイルミネーションではありますが、日中の明るい所で見ても十分に魅力のあるオブジェになるよう設計したのですが、いかがでしょうか?三枚目の写真のように、LEDの導線が目立たぬようワイヤを沿わせるなどして、テンセグリティの幾何学的な美しさと、浮遊感をできる限り引き立てるような作りになっています。

 以上に説明してきたイルミネーションですが、2012年1月9日(月)まで17:30~21:30(12月29日~1月1日は除く)の間は、山口県宇部市のときわ公園に展示中ですので、もし遊びに行かれる方やお近くの方がいらっしゃいましたら、ご覧頂けると幸いです。最後になりましたが、とても活気のあるイベントに参加させて頂き、ありがとうございました。この場を借りてお礼を申し上げさせて頂きます。