2018年9月21日(金) 19:36 JST

建築学会大会(近畿)に参加してきました

  • 2014年9月26日(金) 18:39 JST
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建築学会大会(近畿)に参加してきました。今回、本研究室からは情報システム技術で9本、建築社会システムで2本、都市計画と建築デザインでそれぞれ1本ずつの発表がありました。プレゼンテーションで用いたビジュアルから、概要を紹介します。発表したタイトルはこちらのページの口頭発表の欄をご覧ください。

また、平沢が研究協議会「コンピュテーショナルデザインは構法計画を再定義するか」のパネリストとして参加しました。本研究協議会でご紹介したテキストについてはこちらのページをご覧ください。


アルゴリズミック・デザイン

タイルパターンとコンピューテーショナル・デザイン

タイルは建築の内外装として用いられ、テクスチャや形状、その反復によってリズムを生み出し、建築の様相に彩りを与え、時に印象をも決定します。 しかし、現在用いられるタイルパターンの多くは矩形のタイルを平行移動させたものです。複雑なタイルパターンが適用されない原因は、その設計や施工が困難であることが考えられています。本研究では複雑なタイルパターンを分析し、タイルパターンの生成規則をアルゴリズム化します。これを実装したシステムを作成することで、特別な知識を用いなくとも多様なタイルパターンをシミュレートできるようにすることが目的です。

本研究ではタイルをどのような法則で並べるかといった配置パターンと、配置したタイルに対してどのような配色をしていくかといったテクスチャパターンという二つのデザイン要素を基にタイルパターンを決定していきます。配置パターンは二つの図形のみで豊かな配置パターンを発生させることができる、ペンローズ・タイルを用いて決定していきます。テクスチャパターンはペンローズ・タイルによって得られる配置パターンに度々見られる星や十角形をグルーピングしていくコア発見型と、作図中心点からタイル上を自由に歩かせその軌跡を基に配色していくランダムウォーク型の二つの方法を用います。

本研究では配置したペンローズ・タイルについて、生成中心からの各タイルの距離や姿勢、隣接関係などの情報を用いることで、テクスチャパターンを与えました。 これを簡単な変数の制御のみで、多様なタイルパターンを特別な知識なしにシミュレートできるようになりました。

(以下、いずれの画像もクリックで拡大できます。)



デジタルアーカイブ・AR

姫路城のデジタルアーカイブ化における資料管理と継手仕口の表現手法 その1・その2

当研究室で継続的に行なっている伝統木造建築物のデジタルアーカイブ化に関する発表です。豊富に資料が蓄積されている姫路城大天守をより精緻に三次元モデル化するために、「豊富な資料を適切に管理する手法(その1)」、「継手仕口をどのように三次元モデル化するか(その2)」について報告を行ないました。その1では、三次元モデルを構成する部品と資料の関係を、a.記載されていてモデル化の際に参考にした、b.記載されているがモデル化の際に参考にしていない、c.記載されていない、の3つの関係で整理し、この関係をデータベースにて扱う手法を示しました。下左の動画はCADとこのデータベースを連携させたデモです。CAD上で部品を選択し、アドオンを起動すると、その部品が記載されている資料(PDF)の一覧がブラウザで表示されます。この一覧では、モデル化の際に参考にした資料は橙でハイライトされています。もちろん資料名をクリックするとその資料を開くことができます。

その2では、継手仕口の三次元モデル化手法について、部品雛形において継手仕口をパラメトリックに扱った場合とそうでない場合、オス側に対するメス側の表現にソリッド演算を使う場合とそうでない場合、それぞれについて考察を行ないました。考察をもとに、継手仕口をパラメトリックに扱い、さらに部品と部品が納まる際の手続きをC/C++言語で記述する手法(のプロトタイプ)を示しました。下中図はこの手法をもとに精緻にモデル化した姫路城大天守の南面二階、三階部分です。下右図はこの三次元モデルを三次元プリンタで出力した1/30スケールの模型です。



景観シミュレーションにおける仮想現実感・拡張現実感の表現特性に関する研究

景観シミュレーションにおける、VR(仮想現実感)、AR(拡張現実感)の両表現方法の有用性についての研究です。対象地は千葉県館山市長須賀とし、街道500mに渡る景観を3Dモデルを用いて再現しました。 実験はVRでの現在の景観再現と過去の景観復元、ARでの過去の景観復元の三つを行ないました。それぞれをHMD(ヘッドマウントディスプレイ)を用いて被験者に体験してもらい、

  1. VR・ARの景観シミュレーションへの利用は適しているか、
  2. 機器の操作性は没入感にどう影響するか、
  3. VR・ARを利用した景観シミュレーションへの印象はどうか、

という3つの意図に沿ったアンケート調査を実施し、その結果をもとにVR、ARの表現特性について考察しました。


拡張現実感を用いた模型制作支援システムに関する研究

今日の建築設計ではBIMの運用を目指し、三次元CAD内の部品データにさまざまな情報を与える試みが為されています。本研究では、三次元CAD内の部品に施工手順の情報を与え、部品の形や位置を含めてデータベースに情報を展開しました。 これらの情報を実際の建築部材と連携させ、情物一致を図ることで生産の円滑化が期待できます。ARマーカを利用した情物一致、データベースに記録した施工手順の情報、ARによる取付箇所の教示からなる、拡張現実感(AR)を利用した制作支援システムを提案し、仮想の建築現場と見立てた建築模型組み立てでこのシステムの適応例を報告しました。

模型部品には部品ごとに違うARマーカが貼り付けされており、カメラでARマーカを読み取ることで種類の見分けにくい部品を容易に判別でき、マーカのIDと施工手順とリンクさせることで、施工手順に沿って部品をピックアップできるようになります。 また、ARにより組み立て途中の模型に対して組み上げ後の三次元モデルを重畳することで、その部品の取付け箇所を教示し、直感的理解を助けます。


3Dプリンタでの造形を考慮したデジタルアーカイブの研究

本研究ではユニット式工業化住宅のセキスイハイムM1を対象として、三次元プリンタの利用による模型の作成を考慮した三次元モデル化によるデジタルアーカイブの作成を行ないました。M1を構成する部品の雛形を三次元CAD付属の計算機言語でつくることにより、標準ツールでは表現できない複雑な形状を実現しました。

この研究では、M1の部品構成を整理し、いくつかの部品雛形の集合としての「部位・ユニット」を雛形化することで、三次元モデルを作成しています。  一方でM1の部品を忠実に3Dプリンタで模型化しようとすると、スケールによって材厚が薄くなりすぎてしまうため、出力することができません。この解決策として、三次元モデルにおける表現用の寸法以外に、模型化用の寸法が設定できるよう部品雛形を設計しました。寸法に切り替えはチェックボックス一つで行なうことができるよう実装することで、模型作成時の寸法変換が容易に行なえるようになりました。この三次元モデルの形状情報を用いて三次元プリントによる造形を行なうことで、M1の部品構成をも表現したスケール模型が作成できました。




設計システム・BIM

曲面屋根の構成方法に関する研究

CADソフトの発展により、学生でも三次元曲面をモデリングすることが容易になりました。ですが、実物として成立しうるような三次元曲面の建築物を設計することは容易ではありません。 RC造ならまだしも、鉄骨造や木造では構造部材を組み合わせて曲面を構成しており、それを手入力のみで構成することは困難でしょう。 そして、一般の建築例でも曲面を構成する部材の構成は主に格子型となっており、部材の自由な配置によるデザインはあまり見られません。

本研究では、構成部材の配置を簡単にスタディできるシステムを作成し、さらに意図した形状が実現するか検証しました。 本システムでは、曲面構成部材のデザインは二次元操作画面上でのマウスクリックで行ないます。また外部のモデリングツールで作成した曲面の頂点データを取り込むことで同様の操作を行なうことができます。 本システムで作成したデータをCADに出力することができ、多種ソフト間で利用可能なプラットフォームとなりえます。 左図は本システムを用いて配置パターンを検討した曲面、右図がそのデータを外部モデラで編集しディテールまで作成した三次元モデルとそれを3Dプリンタで出力した模型です。この模型は接着剤は使用せず、ジョイントと部材の納まりにより成立しています。

本システムを用いることで手作業では難しかった曲面構成部材のデザインスタディが容易になり、実際に曲面を構成することができました。しかし、本研究はあくまで部材配置の自由なスタディが目的であり、構造面の考慮はしていません。 今後は部材の配置と同時に構造解析を行ない、一括のプロセスで設計を進めていくことができるシステムに改良を進めていきます。




図形処理・画像処理

コンピュータビジョンを用いたテンセグリティ構造体の出来形管理手法

画像処理技術を利用した出来形管理手法についての研究です。本研究では、テンセグリティ構造体で構成される曲面をもつフォリーの制作を通して、本来計測が難しいと思われる形状の出来形管理を容易に行なうための2つの手法を提案しました。施行物の寸法を①ステレオカメラを利用した三角測量、②ARマーカを利用したマーカトラッキング により計測し、計測値と設計データとをビューア上で比較検証することで、容易な出来形管理を実現しています。本手法ではテンセグリティの構造上、端点位置を検出することで全部材の寸法を取得しています。対象物の適切な計測点を適用することで、テンセグリティ以外の出来形管理についても適用できると考えます。本研究の詳細はこちらのページをご覧ください。




プロジェクションマッピングを用いた模型表現の試行

建築模型で使われるものの多くは、スケール感や空間構成を検討するために用いられるので、材質や詳細部分が表現されない白模型が用いられます。材質や詳細の表現するとより直感的な検討を行なうことができるようになりますが、造り込みには時間や手間がかかります。本研究ではプロジェクションマッピングを用いて模型に外装材や照明の光を模したものを投影し、模型表現の拡張を行ないました。

CGと被投影物体の位置合わせにマーカトラッキングを用いることで、プロジェクタと模型の位置関係を常に把握し、自動で位置合わせが行なわれるようにしました。3DCGモデルに透明な窓を設けておくことで、窓から漏れ出る光を表現できました。プロジェクタの近くからの視点では、ガラスの向こうの柱なども違和感なく見えます。





構法・機械化・ストック(建築社会システム)

関係データベースを利用した建築構法の知識表現に関する研究その1・その2

ツーバイフォー工法の建築情報三次元モデルを関係データベースで管理・運用し、知識表現を行なうシステムに関する研究です(2013年度修士論文)。 本研究では、プレカット工場での加工法に基づいたの部品の雛形や、部位の構成法に基づいた部品の自動展開の手続きをC/C++により記述しています。 これらの雛形から実体化した部品のデータは、建築情報モデルの標準規格であるIFCのデータ構造をマッピングした関係データベースに格納し、互換性の高いかたちでの管理・運用を目指しています。


また、本システムによる知識表現の活用例として、雛形へのパラメータ入力や展開された部品モデルの閲覧が行なえるWebアプリケーションや、本システムを介してデータ連携を行なう三次元CADのアドオン、部品モデルに含まれるデータから仮想の五軸加工機を制御するアプリケーションを作成しました。 建築構法の知識表現を行なうシステムの開発により、設計支援から加工機制御といった建築生産プロセスの上流から下流までに活用できる情報モデルの可能性を示しました。




密集市街地・集落(都市計画)

都市・集落の立地についての蓋然性を記述する試み 都市・集落を形成するアルゴリズム

都市・集落の立地点に関する一般的法則についての研究です。地形の遷移と都市・集落の立地には関係があると過去の地理学者・都市計画学者らに指摘されています。 この研究では、地形データを解析し都市・集落の立地点におけるその標高と遷移の相関を考察しています。 青森県津軽平野周辺の例では、両値の強い相関がみられる場所は地域特有の地形を指しており、かつ都市・集落の立地点周辺が含まれていることがわかります。




素材の持ち味を活かす創造的想像力(建築デザイン)

テンセグリティのデザイン・ワークフロー

デザイン及び施工することが難しいテンセグリティ構造のワークフローについての研究です。

本研究の詳細はこちらのページをご覧ください。




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