建築でコンピュータ、する?
2024年12月 3日(火) 05:04 JST
20220228更新
本HPは廃止の予定です。廃止準備中にも関わらず多数の方々に訪問いただいております。ありがとうございます。
本HPの内容は部分的にしか移植できておりませんが、最近の活動はTwitterで紹介しています。(Twitterのリンク)。Facebook派の方々には申し訳ないのですがFacebookはログインできなくなったこともあり使えていません。Facebookの方はこのまま放置になると思います。ログイン できないので削除もできません。
20210519追記
当研究室では、木質材料の加工を前提とした多軸加工機械の研究開発をしています。加工機としての完成度は実用水準に達していますが、今後、更なる高機能化を目指すには現実のニーズに適切に対応することで得られる知見の積重ねが不可欠だと考えます。
このたび、学内での調整を経て、成果物(切断・切削した木質建築部品)の提供を伴う資金提供を受け入れ可能になりましたのでお知らせします。
ほぼ10年にわたり、研究室ホームページをGeeklogと呼ばれるCMSで運営してきました。Geeklogはまだまだ現役ですし、これといった欠点があるわけではないのですが、気分転換といえばいいのでしょうか、ホームページの構成を見直すことにしました。
2020年度ももうすぐ終わります。コロナ禍の散々な一年だったのですが、厳しい環境下においても高水準な研究活動を維持する努力をしてきました。修士研究、卒業研究では、例年に負けず劣らずの結果を出してくれました。
そんな2020年度でしたが、今年始めた新しい取り組みに産業用六軸ロボットによる3Dプリントの研究があります。六軸ロボットの特性を活かした初期段階の取り組み、家具の製作をこちらで紹介しています。
これらの記事の評判もなかなかよく、気分良く研究を推し進められたのですが、以上の実験から得られた知見の集大成として、研究室で使うための階段の制作を企画しました。
これまでの実験から、ロボットアームを使った3Dプリンティングで以下のことが出来ることがわかっています。
これまでは、従来の3Dプリンターと同様に、水平な作業面上での積層による造形を中心に行ってきましたが、今回は、水平面以外の傾いた作業面での造形を特に意識し、また、異種の材料上に直接その場でプリントする技術を試行しました。ロボットで3Dプリンティングを始めるときに最も強く意識したのはロボットはある程度動けるということです。今回の実験ではロボットは固定台仕様なのですが、走行台に載せることでプリントしたい場所でプリントする、そんな芸当が可能です。
今回の実験では、階段の側桁にロボットの前に来て貰いましたが、その反対に、ロボットが階段の近くまで行って作業することも可能なのです。このような必要な場所で必要な3Dプリントをすることをインプレイス・プリンティングと名付けました。もう少しよい用語があるかもしれませんが、本記事のタイトルはここから来ています。プログラムを書かられる方ならインライン展開からの発想だといえば納得して頂けるでしょうか。
階段の側桁部材なども微妙に角度を振ってありますが、これは木工ロボットによるものです。こちらも大工技能としてはそこそこ高度ですが、木工ロボットそのものでは遙かに複雑な形状の加工を既に実現していますので、この後は特に言及しません。木工ロボットの近況報告は2021年度春に予定しています。
2020年度卒業論文の発表会がオンラインにて行われました。本研究室の卒業論文を簡単に紹介したいと思います。
木質部品の加工は一般的に多段階で行われますが、加工済みの形状から加工過程を知ることが難しい場合があります。そこで本研究では、木質部品における加工過程の可視化を目的として、継手仕口を対象に3Dモデル上における加工情報の表現手法を検討しました。
加工情報は加工ツールと加工順序に対応させた色で表現し、3DモデリングツールであるRhinocerosとそのビジュアルプログラミング環境であるGrasshopperを用いて13種類の継手仕口および2種類の加工について生成システムを実装しました。実装したシステムを法起寺三重塔(奈良県)の3Dモデルに適用し、3Dモデル上で加工情報が表現可能であることを確認しました。